[新型コロナ関連論文]COVID-19蔓延前と蔓延中のカナダ人成人におけるインフルエンザ予防接種
[新型コロナ関連論文]COVID-19蔓延前と蔓延中のカナダ人成人におけるインフルエンザ予防接種
2021.12.22
2020年末から2021年にかけてのインフルエンザのシーズン中の同予防接種が、COVID-19蔓延以前の同シーズンと比較して、どのように変化したかを理解することは、重要な優先事項であり、過去のインフルエンザ予防接種の状況とCOVID-19予防接種の意欲の関係性を明らかにすることも重要です。
このため、2018~2020年の3回のインフルエンザ予防接種状況の調査を目的に、カナダ在住の50歳以上の成人の国を代表する多数のデータを分析しました。
調査項目は、以下の3項目です。
1)自己報告によるインフルエンザ予防接種の変化、
2)2020年末から2021年にかけてのインフルエンザ予防接種の予測、
3)過去のインフルエンザ予防接種状況と自己報告でのCOVID-19予防接種の意欲の関係性、
この結果、調査を実施した約23,400人の内、2018年末から2019年にかけてのシーズンに60.4%、2019年末から2020年にかけてのシーズンに67.1%、2020年末から2021年にかけてのシーズンに82.0%というように、時を経るにつれてインフルエンザ予防接種率は増加しました。
また、社会人口統計を調整した後、インフルエンザ予防接種の過去の接種状況と2020年末から2021年にかけてのシーズンのインフルエンザ予防接種状況は、最も強い関係性(aOR:147.9 (95%CI:120.9~180.9))を示し、この関係性は、複数の健康とCOVID-19蔓延の要素を考慮した後も、残りました(aOR:140.3 (95%CI:114.5~171.8))。
更に、程度は低いが、COVID-19をより心配する人々は、インフルエンザ予防接種を、2021年の秋に接種する傾向にあり、また同様に、COVID-19に関して大変ネガティブな報告をした人々は、ワクチンを受けない傾向にあった。2020年最後の3か月のCOVID19の予防接種への意欲に関する約23,800人の内、過去のインフルエンザ予防接種の接種状況は、COVID19の予防接種を受ける意欲と最も強く関係をしていました(aOR :15.1 (95%CI:13.5~16.8))。
本分析は、予防接種の接種意欲における過去の予防接種状況の重要性について強調をしており、インフルエンザとCOVID19の予防接種の接種率を向上させるには、地理的状況に関わらず、日常的に予防接種を受けていない個人をターゲットにすべきであるとしています。
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