祖母のひとり言
2019.08.14
祖母のひとり言
私の祖母は私が小学生の時に他界しました。
次男を学徒出陣で大きな船に乗り撃沈されて帰らぬ人となりました。
墓参りをすると昔からおじさんの大きな墓石があり、お線香を必ずあげてきました。
そのたびに親族たちが言葉をかけてお線香をあげる姿は小さい時からの思い出です。
恋愛もしないまま、家族も持たないまま、自分の子供も欲しかっただろうと考えると
祖母の悲しみは計り知れません。
潔い性格で、誰からも信頼されて大学を卒業したら夢は大きくあっただろうに。
祖母は戦時の歌を時々口ずさみ「かってくるぞといさましく誓って国を出た。。。」
そしておじさんの思い出話をしてくれました。
この国の為に命を落として戦ってくれた数知れない若者たち。
一人一人が自分の子供を欲しかってであろうに。
今、思うのは大きな犠牲の上に私たちは豊かに安全な世の中で日々生活できていることです。
祖母は男の子を5人産んでお家繁栄を願っていたことでしょう。
自分より先に一人でも欠けると母親としてこんなにさみしい事はありません。
まして恋愛も結婚もなく散って行った、自分の知らないところで、会う事も出来ない場所で。
自慢の息子の最後を見届ける事も出来ない祖母はずっと悲しみを心に秘めて生涯を送ったのだと考えると、こんなに辛いことはありません。
私も息子が18歳を迎えた年に特攻隊の姿を想像した時耐え切れない思いを持ちました。
この若さで死ににいく覚悟をどう説明できましょうか。
平和のありがたさと先に日本の為に戦った若い人たちの分も精一杯生きる事だと考えます。
文: 8Gチャレンジャー