蜂その1

2016.08.12

蜂その1

私にとって、蜂と言えばミツバチ、ミツバチといえば蜂蜜。

子供の頃、我が家では蜂蜜は貴重な物で、祖母が壺にいれて保存していた。

少し体の具合が悪い時等にのみ祖母が食べさせてくれた。

そんな貴重だった蜂蜜だが、中学生か高校生の頃からだったと思うが、

蜂蜜を好きなように食べられるようになった。

家の近くにスーパーが出来たのではない。


養蜂業の方が、れんげそうが咲くころ、我が家の田んぼや山の彼方此方に

ミツバチの巣箱をおき、れんげ蜜を集めた。

我が家での収穫が終わると次の場所に移動する。

その時に1升ビン2本のれんげ蜂蜜をお礼として我が家に置いてくれるように

なったからだ。

れんげそうは稲を植える為の緑肥だったから毎年春、我が家の田んぼの

全てがれんげそうで満開だった。

このれんげそうからとれる蜂蜜は香りや味に癖がなく私は大好きだった。

れんげ蜂蜜は甘党の私のお菓子替わりとなった。


この時から蜂は私にとっては蜂蜜のプレンゼンターで、昆虫というより

大切な"Creature"であった。


文:田辺 熱