[新型コロナ関連論文]COVID-19流行中のオーストラリアでの体系的な癌治療における変化:人口ベース研究
2021.08.17
[新型コロナ関連論文]COVID-19流行中のオーストラリアでの体系的な癌治療における変化:人口ベース研究
2021.08.17
COVID-19の緊急事態により、癌治療における遅れと中断の世界的な懸念があるが、COVID-19感染率の比較的低いオーストラリア国内において、体系的な癌治療がどの程度影響を受けているかが不明であることから、本研究では、COVID-19流行中の同国内での、体系的な癌治療における変化を調査しました。
このため、2017年1月~2020年12月の期間に、政府が支援する癌治療薬を配布された人の10%のデータを用いて観察研究を行い、毎月の抗悪性腫瘍薬の配布率と開始率と、10万人当たりの内分泌薬と支持薬、毎月の千人当たりの治療中断率を調査しました。
この結果、研究期間に、抗悪性腫瘍薬の配布と治療開始においての減少はほぼ無かったが、2020年3月に一時的な抗悪性腫瘍薬の配布の増加(39人/10万人)が、同年4月に、化学療法の開始における一時的な減少(-2人/10万人)と、抗悪性腫瘍薬配布の中断の一時的な増加(35人/10万人)が見られたが、これらの持続性はありませんでした。
以上から、オーストラリアでの効果的なCOVID-19制御は、体系的な癌治療への影響を軽減しているように推測出来ました。
ご興味をお持ち頂けましたら、以下のリンクをご参照ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666606521001358